CDやDVDなど光ディスクの読み取り技術を発明した日立製作所の元主管研究員、米澤成二氏(65)が、
自身の発明による特許権を譲渡した対価として、日立側に2億5000万円を請求した訴訟の控訴審判決が
29日、東京高裁であった。山下和明裁判長は国内特許分に限って請求を認めた東京地裁判決(02年11月)を
取り消し、海外分を含め1億6300万円余の支払いを命じた。1審が認めた過去最高額の3489万円余を
さらに増額した判決は、同種訴訟に影響を与えそうだ。
特許は光ディスクにレーザーを当ててデータを読み取る技術に関するもの。この分野の先駆的な発明とされ、
米澤氏は日立側から約230万円を受け取っている。
外国で取得した特許に対する対価を日本の裁判で請求できるかについて、判決は「(対価を規定した)特許法は
労働法規としての性格も持つ以上、外国特許に関する権利を含めて、国内法で一元的に決めるべきだ」と判断し
「それぞれの国の特許法に準拠すべきだ」とした1審判断を覆した。
そのうえで、個々のライセンス契約とメーカー間で特許を無償で使い合う「クロスライセンス」に基づき、
国内外で得た日立側の利益の総額を約11億8000万円と算出し、この利益のうち14%が米澤氏の貢献だったとして、
支払うべき対価額を1億6300万円余と導き出した。1審で認められた3489万円余を差し引いた1億2810万円余を
上乗せ分とした。
(以下略)
毎日新聞
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040129k0000e040026005c.html