★人同士の感染警戒 ベトナムの鳥インフルエンザでWHO
・鳥インフルエンザH5N1で5人の死者が出たベトナムで、世界保健機関
(WHO)が、人から人に感染する「新型インフルエンザ」出現の警戒態勢に
入った。日本の国立感染症研究所が患者のウイルスの遺伝子を解析した
結果、人から人への感染を可能にする変異はまだ起きていないが、予断の
許されない状況。WHOは新型出現を想定してワクチンの開発にも乗り出した。
ハノイでは5人以外の死者にも、鳥インフルエンザが疑われるケースがある。
感染の疑いで治療中の患者も10人以上。
WHOは米疾病対策センター(CDC)などと協力して、近く新たに調査団を
ベトナムに送り込み、感染研からも数人が参加する見通しだ。
感染研による今回のウイルスの遺伝子解析では、昨年2月に香港で死者を
出したH5N1と塩基配列が97〜98%一致。香港のものが潜伏していた
可能性が示された。
人のインフルエンザウイルスに由来する遺伝子はなかったが、感染研の
田代真人ウイルス第3部長は「鳥から人へ偶発的な感染を繰り返すうちに、
人体内で人のインフルエンザと遺伝子が交じり合い、人への感染力を獲得
することがありうる」と指摘する。
こうした「新型」は、20世紀に入って以降、3種が出現。北海道大獣医学部の
喜田宏教授によれば、最も新しい68年の香港風邪(H3N2)は、カモが運んだ
ウイルスがアヒル、鶏を介してブタに感染、ブタの体内で人のウイルスと交じった
可能性が高い。 (一部略)
http://www.asahi.com/international/update/0121/001.html