【ほのぼの】カピバラ一家、冬至前にユズの温泉入浴−伊豆

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124名無しさん@4周年
J・H・プレンナー著『名無しの奇怪群島』(蓋見書房刊)より

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岩陰の温泉にゆっくりと警戒しつつ身を沈めたところ、先客のカピバラたちは怒りのあまり全身
の毛を逆立て、鋭利な爪と牙を見せて威嚇して……はこなかった(安心しろ、ピップ)。数百匹の
カピバラは不思議そうな顔をして闖入者を見つめているだけだ。この温泉は特別な効能があり、
生命点10点分の回復のほかに、百日咳とリウマチ、それにイボイノシシの耳を噛みたくなってし
まう奇妙な衝動を和らげてくれる(妙な効能だって? いずれ分かる時が来るさ)。
ただ、動物には適温でも、人間にとっては少々熱すぎたようだ。30分ほど入っているうちにすっ
かりのぼせ、自分がどこに向かっているかもよく分からなくなってしまった。しょうがない、サイコ
ロをふって行き先を決めろ。1が出たら48、2が出たら117、3が出たら29、4が出たら81、5が出
たら105、6が出たら114だ(間違えて一桁少ないセクションには向かうなよ)。