【海外】英国の宮殿に幽霊出現？…監視カメラが撮影

スティーフ゜・ジャクソン著『地獄な館』(現代強要文庫刊)より

二九九
ほこりっぽい緋色の絨毯が敷かれた廊下を進んでいくと、前方からぼんやりとした人影が近付
いてきた。身を隠す場所もなく、固唾を飲んで身構えていると、どこか様子がおかしいことに気
がついた。その近付きつつある人物の背後にあるはずの光景が、身体にさえぎられずに、透け
て見えているのだ！　恐怖点に二点加えよ。なす術もなく立ちつくしていると、その人物の外見
が判別できるようになった----黒いローブをまとい、顔に張り付いたような微笑を浮かべた若い
女で、片手には緑色にぼうっと光るカンテラを持っている。彼女は君に一瞥をくれる事もなく、前
方を見据え、ゆっくりとした足取りで前進し、君のわきを通り過ぎていった。思わず背後を振り返
り、彼女の行方を目で追っていると、十メートルほど進んだ地点で立ち止まり、体ごと右を向い
た----そして、横顔を向けたまま初めて君のほうを片目で見つめ、意味ありげな含み笑いをし
たかと思うと、廊下の壁の中にすうっと消えていった。
　思わず彼女が消えたあたりの壁に駆け寄る。君は
　
　壁を調べてみるか？　　　　　　　　　　　　　　　　　三一六へ
　再び、廊下を歩き続けるか？　　　　　　　　　　　 二五八へ
　自分の部屋に戻るか？　　　　　　　　　　　　　　　　 一二へ
　
三一六
拳で壁を叩いてみると、漆喰がばらばらとはがれ始め、中から高さ九〇センチくらいの小さな扉
が現れた。その扉のノブをつかみ、中へと入っていく。一九へ。