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名無しさん@4周年:
最近、リビアのカダフィ大佐が半生を振り返ってエッセイを出版した。そしてその本の前書きを書いたのが、
レーガン大統領時代の補佐官、ピーター・サリンジャー氏だという。
周知の通りレーガン大統領時代のアメリカとリビアは激しい敵対関係にあった。世界各地で頻発する国際テロの
黒幕はカダフィ、というアメリカの主張にリビアは猛然と反発し、アメリカの度重なる空爆に対抗していた。
そのアメリカの大統領補佐官がカダフィ半生記の前書きを書くとはどういうことか。
サリンジャー氏は当時、リビアによるアメリカへのテロを調査する責任者として、この事件の徹底追及を指揮
する立場にあった。ところが、調査が進めば進むほど、このテロにリビアが関与していないことが明白になり、
代わってシリアが真犯人として浮かび上がってきたという。
しかし、シリアとの友好関係を盾にアラブ諸国への覇権を広げようと目論んでいたアメリカにとって、ここで
シリアとの関係に波風を立てることはなんとしてでも避けたかった。そこで出てきたのが「カダフィを悪者に
してリビアを叩く」という妙案である。アラブ諸国を分裂させるためにもこれは申し分のないシナリオだ。
そして事態はそのシナリオ通りに進んだ。アメリカによるリビアへの度重なる爆撃で多くの人命が失われた
だけでなく、「リビアのカダフィ」=国際秩序を乱す「狂犬」「テロリスト」というイメージは“西側諸国”
のみならず瞬く間に世界に定着してしまった。