彼をイラクに行かせないで…それぞれ1人で署名集め 札幌と千葉の女性★2
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名無しさん@4周年:
葛西裕美(23)は身を切るような寒さの中で、署名集めに出かけた。
寒い。辛い。裕美は、ふと、先週(12/10)のことを思い出した。
先週は、記者とカメラマンが付き添ってくれた。
午前中、誰も署名してくれなくて落ち込んだとき、
暖かい飲み物やカイロの差し入れなど、いろいろと気遣ってくれた。
出前のラーメンを三人で食べながら、
「まったく、裕美ちゃんを悲しませるような彼氏と別れて、俺と付き合ってよ!」
などと、冗談も飛び出し、心が少し温まった。
午後からペースが上がり、結局130人の署名が集まった。
「よかったね、ご褒美に食事をご馳走するよ。どこでもいいよ。」
「本当?嬉しい!じゃ、海鱗丸がいい。」
三人は海鱗丸で祝杯を挙げた。
「私、来週も頑張って、500人は集めたいな」
「大丈夫、裕美ちゃんなら、千人、一万人くらい軽く集まるよ。俺、良い記事書くからさ」
裕美は気がついたら記者に電話してた。
「あ、もしもし、葛西裕美です。先週はありがとうございました。」
「なんだ裕美ちゃんか。」
「なんだって言い方ひどい〜。私、今日も署名集めしているんです。」
「あっそ。頑張ってね。」
「えぇ〜それだけ?寒いし大変で、今日も全然署名集まらないんですよ」
「あ、俺、これから会議なんだわ。もう切るよ。」
「・・・」
裕美はそのとき気がついた。自分は騙されたんだと。
署名集めをした事実とその写真だけが欲しかったんだと。
本当は、署名なんかどうでも良かったんだと。
裕美は集めた署名を破り捨てた。