★英ブレア首相の側近・キャンベル局長辞任 政権に打撃
英政府は29日午後、政権中枢にいる官邸のアラスター・キャンベル報道・戦略局長が
辞任すると発表した。辞任の真相は不明だが、英科学者ケリー博士の死をきっかけに
側近主導の政治の実態が明らかになり、批判が高まっていた。側近が辞任に追い込まれた
ことはブレア政権にとっては大きな打撃だ。
キャンベル局長は、「今夏に職を離れることは今年4月7日に合意済み。今日正式に
首相から通知を受けた」との声明を発表し、既定路線に従った辞任だったと強調している。
しかし、英メディアは、キャンベル局長が昨年9月に政府が発表したイラクの大量破壊兵器に
関する報告書の作成と、その疑惑を報道したBBC記者の取材源ケリー博士の名前を公にした
経過で重要な役割を果たしたことを指摘。一連の疑惑で信頼を失ったブレア政権の失地回復の
ための辞任との見方を強めている。 (中略)
一連の疑惑を究明する独立司法調査委員会(ハットン委員会)で、証言に立ったキャンベル局長は、
(1)大量破壊兵器の報告書は統合情報委員会(JIC)が作成したもので、厳密な諜報に基づいている
(2)ケリー博士の氏名を公表したのは国防省の責任、との姿勢で官邸を批判から守ろうとした。
しかし調査の過程で、キャンベル局長がスカーレット情報委員長に、大量破壊兵器の脅威に
ついての表現を強めるよう要請したことなどが明らかになった。また、博士の名前をリークしたことに
ついても、フーン国防相が自らの関与を全否定したため、ブレア首相は28日の証言で、「公表した
責任は私にある」と認めざるを得なくなった。
朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0829/025.html