■2.20年間で倍増の人口爆発■
朝鮮半島が急激な人口増加を迎えるのは、20世紀に入ってからで
ある。1906年(明治39年)からの20年間で、980万人から、1,8
66万人と倍増した。さらに1938年には、2,400万人となった。日韓
併合時代である。[1,p29]
この人口増加の原因としては、いくつかの要因がある。一つは第
6代宇垣一成総督による「農産漁村振興運動」などの民生向上活動
である。30年で内地(日本)の生活水準に追いつく事を目標に、
農村植林、水田開拓などの積極的な国土開発による食料の増産が図
られた。併合当初米の生産量が約1千万石であったのが、20年後
の昭和に入ると、2千万石へと倍増した。[1,p80]
もう一つは医療制度の確立、特に伝染病の予防である。1910年か
ら徹底的な検疫を実施し、コレラ、天然痘、ペストなどは、1918年
から20年の大流行を最後に押さえ込まれ、乳児死亡率が激減した。
さらにインド、中国から朝鮮にかけて猛威を振るっていたハンセ
ン病退治のための救ライ事業として、世界的規模と質を誇る小鹿島
更正園を作って、6千人以上もの患者を収容している。[1,p85-86]
農村振興は、終戦後も朴正熙大統領のセマウル運動として続けら
れる。宇垣総督の秘書役であった鎌田澤一郎氏が、その経験を買わ
れて何度も朴大統領に呼ばれ、アドバイスをしている。[2,p44]
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h10_2/jog056.html