【社会】「インターネットステーション」開設、掲示板サイト等での「差別書き込み」に対し啓発を:奈良

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1宇津田司王φ ★
県市町村人権・同和問題啓発連絡協議会(啓発連協)の「インターネット掲示板差別書き込みに
ついて考えるプロジェクト会議」(平岡恭正代表)は16日までに、本格的な啓発活動を展開するため、
橿原市大久保町の県市町村会館内に「インターネットステーション」を開設した。

問題になっている掲示板サイトなどでの悪質な「差別書き込み」を調査・分析し、
啓発の書き込みを行うことで改善を求めていく。同会議によると、全国初の取り組みで、
奈良を情報発信基地にして啓発運動の輪を全国に広げたい考え。
同会議の会員ら約100人が、5人1組になってステーションに通い、設置されたパソコン5台を
駆使して差別書き込みを「監視」。部落差別や障害者差別、外国人差別、個人への誹謗(ひぼう)・
中傷など人権を侵害するような書き込みを発見したら記録する。

問題のある書き込み内容を毎月開かれる同会議の勉強会に報告、対応を協議。
書き込んだ相手に対し、人権の大切さを訴える内容の書き込みで啓発していく。
これまでは、会員らが個々に取り組み、一定の効果も出ていたが、今後はステーションを
活動拠点にして組織的に取り組む。

平成13年6月から今年2月までの約1年半、同会議が主な掲示板サイトを調査したところ、
明らかな差別書き込みは1418件、悪意が感じられる書き込みは952件確認された。
明らかな差別書き込みのうち、部落差別関連は75%を占めた。
差別書き込みの内容が悪質化している背景にはインターネットの「匿名性」がある。
そのため問題は野放し状態にされているのが現状という。
同会議副代表を務める中島豊・橿原市人権啓発課長は「一番恐いのは、おもしろ半分で
書き込まれること。それが多くの人を傷つけるだけでなく、それを見た子どもたちが誤った
認識を抱く恐れもある」と問題の根深さを指摘する。

中島さんは「私たちだけが声を張り上げてもそれを阻止することはできません。
だからインターネットステーションを差別書き込みをなくしていく市民運動の発信基地にし、
全国に運動の輪を広げていきたい」と話している。

http://www.nara-shimbun.com/n_soc/soc6827.html