多摩丘陵の動物150種の写真集出版
町田市の会社員が4年がかりで撮影
町田市木曽町の会社員、荘司たか志さん(44)が、同市内に広がる多摩丘陵を
中心に生息する動物たちを撮影した写真集「里山生きもの博物記」を出版した。
収められている動物は、ノウサギ、イタチ、オオタカ、フクロウ、トンボなど
約百五十種類。豊かな生命をはぐくんできた多摩丘陵の環境を守る大切さを訴えかけている。
荘司さんは自然が好きで、約十年前から里山歩きを始めた。
また、市民グループで緑地保全活動に取り組んでいるほか、日本自然保護協会の
自然観察指導員や森林レクリエーション協会の森林インストラクターも務めている。
そうした中、驚くほど多くの生き物を目にし、趣味のカメラで生態を記録しようと思い立ち、
一九九八年暮れから、仕事や家族サービスの合間を縫って、市内と近隣の野山や田畑、
水辺を歩き回った。
写真集には、こうして四年がかりで撮影した約百五十種類の動物の写真約二百枚を
掲載している。ノウサギ、イタチ、ムササビ、オオタカ、フクロウ、カワセミ、トンボ、チョウ、
ヘビ、カエル……など、九割以上が市内の多摩丘陵一帯で見つけた動物だ。
アカガエルの撮影のため、冬の産卵期を狙って水辺に通い続け、
四年目にやっと出合ったり、約十度目の待ち伏せで夜行性のムササビを写したり、
高い枝にしか止まらないチョウを上からとらえるため、木によじ登ったりと、
苦労の末の作品が多い。
荘司さんは、「多摩丘陵などの里山は、田畑の耕作や雑木林の薪炭への
利用など人の手が入り、これほど多様な生物の住み分けができる環境を生んだ。
写真集には、放置しておくと多様性が失われるんだという思いを込めた」と話している。
「里山生きもの博物記」は「山と渓谷社」刊で、スモールAB判、九十六ページ、
税別千六百円。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo/news001.htm