クローン牛謎の巨大化、安楽死へ
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20030410/20030410a3830.html 2003年04月10日(木)
【ワシントン9日共同】米国のベンチャー企業などが、凍結細胞からクローン技術で再生した絶滅危ぐ種のジャワヤギュウ(バンテン)2頭のうち1頭に、身体が大きいなどの異常があることが分かり、研究者はこの子牛を安楽死させた。
研究に参加した米・サンディエゴ動物学協会などが9日、明らかにした。体の巨大化は、これまでもクローン牛や羊に多く発生する異常として報告されており、クローン技術を人間に応用することの危険性を指摘する声も高まりそうだ。
同協会などによると、2頭は4月1日に生まれたが、このうち1頭は、通常の1・6倍もの体重があり、自力で立ち上がることが困難だったため、8日に安楽死させた。残りの1頭の体重は正常で、健康に育っているという。
同協会などは「クローン技術が絶滅の危機にある生物の保全に有効な技術であることには変わりない」としている。
ただ、環境保護団体からは「密猟や生息地の破壊など、生物絶滅の根本原因をなくすことが重要で、実験室で動物を作り出すことは解決にはならない」と批判的な声が上がっている。