【国際】消息を絶った島国「ナウル」に向かった救助隊も消息不明?★4
一体どうしてこんなことになってしまったのだろうか?
星だけが明るいナウルの夜空を仰ぎながら、まさしは息をひそめて隠れている。
異変が起こったのは数日前だ。原因はオーストラリアが送り込んだ異国の難民達。
しばらくは問題も何もなかった。だが、異変は唐突に訪れた。
彼らアフガン難民が待遇に腹を立て、暴動を起こしたのは知っている。
その際、島の唯一の連絡手段である国際電話回線が分断され、孤立状態になった。
キリバス系住民、華僑系住民、現地民なども自衛手段として自警団を結成し、
島全体が今までになく緊迫した状態なのは理解出来ている。だが、問題はそこからだった。
「あううううぃぅぅ〜〜」
不気味なうなり声が近づいてくる。奴らだ。決して死なない死者達だ。
まさしは思い切って車の影から出た。奴らは臭いで追いかけてくる。隠れていても、
いずれ見つかって脳みそをえぐられるのは分かっている。
人影はひとつだった。これならなんとかなる。
道ばたで拾ったバールのようなもので、まさしは腐った汁をしたたらせるゾンビの頭を
力一杯殴りつけた。おぞましい悪臭と共にゾンビの鼻から上が吹き飛んだ。
だが、それでもゾンビは歩みをやめようとはしない。
「あう〜〜〜」
まさしはもう一度バールのようなものをゾンビに振り下ろした。
残る頭部を完全に失って、ようやくゾンビはただの死者に戻って地面へ転がった。
まさしは汗をぬぐい、ずれたメガネを戻すと、明かりのない夜道を歩き出した。