【反核】北朝鮮の核に対し何故いつもの反核運動が起きないのか? 【コラム】

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14989@宇津田司王φ ★
脅しか、はったりか、はたまた現実なのか、北朝鮮が“核のボート”を揺さぶり続けている。
国際原子力機関(IAEA)は北の核計画凍結を決議し、日米韓も共同声明を出したが、どうにも理解に苦しむことがある。
▼ほかならぬ日本でこれまで盛んに反核運動を推進してきた人たちがいた。
かれらが一向に声を発しない。昨年の夏、広島と長崎で開かれた原水爆禁止大会は、
相変わらず二つに分裂したままだった。原水協(共産党系)と原水禁(旧総評系)とだが、
そのいずれも北朝鮮の核に対してウンでもスンでもない。

▼ワシントン古森義久記者のリポートによると、昨年十月十七日、秋葉忠利・広島市長がアメリカン大学で
「広がる核の脅威」と題するスピーチをした。しかし市長はもっぱら米国の核政策だけを非難し、
中露の核兵器はもちろん、北朝鮮の核には何も触れなかったそうだ。

▼反核運動をあおってきたはずの進歩的文化人諸氏も、北朝鮮には鳴りをひそめている。
ノーベル賞作家・大江健三郎氏もそのお一人だ。これは谷沢永一氏のご指摘だが、
平成七年元日の朝日新聞上で大江氏は加藤周一氏と対談し次のように語っていた。

▼「戦後五十年の出発点の、日本人がなめた苦い経験を思想化しようとすれば、日本が取り組むべき中心の課題は核軍縮だと思います。
そのための国際的な委員会を作れば、広島、長崎の被爆体験に立って有効な発言ができるはずです」。

▼いまこそ北朝鮮に対して“有効な発言”をする時ではないか。昨年の春と秋、大江氏は同紙で外国文化人と往復書簡をかわし、
確かに北の核について触れてはいる。ところがこれが例によってすこぶる難解であり、奥歯にものがはさまったような文章なのである。

http://www.sankei.co.jp/news/column.htm