法廷で「末期がん宣告」 福岡
http://www.sankei.co.jp/news/021217/1217sha149.htm 医療過誤で訴えられた病院が、原告である元患者の病状を、本人の同意なしに提供された検査情報に
基づいて末期がんであるかのように裁判で主張したのは、プライバシーの侵害に当たるとして、乳がん
患者の女性が福岡県内の民間病院に対し、500万円の損害賠償を求め17日、福岡地裁に追加提訴した。
原告は福岡県内に住む30代の女性で、3月にがんが再発し闘病中。
女性は1998年4月に左乳房の切除手術の後、誤った診断に基づく不必要な放射線治療を受けたため
乳房の再生が困難になったとして、放射線治療を指示した同病院などに対し、約8000万円の損害賠償を
求める訴訟を今年4月、同地裁に起こした。
病院側は5月、答弁書を提出。その中で、放射線治療が不要だったとする女性の主張に反論するため、
再発後の病状に触れ、現在の主治医が女性の同意なしに提供した検査情報を引用して「全身骨転移の
状況」「進行乳がんの転移である」などと、末期がん患者であるかのように主張したという。
女性は「(病院の主張を聞くと)死にひんしていると思わざるを得ず、死にも値するほどの苦痛を受けた」と
している。情報提供した主治医については謝罪したため、提訴しなかった。
病院側は「診断情報はこちらから求めてはおらず、主治医が提供したもの。『裁判で争う上で必要』とした
弁護士の司法的判断」としている。