中央アジア・トルクメニスタンで旧ソ連時代から独裁権力をふるうニヤゾフ大統領が、暗殺
未遂事件を自作自演し、反政府派の弾圧に利用したのではないかとの疑惑が浮上している。
事件は先月25日、首都アシガバートで発生。大統領の車列にトラックが割り込み、何者かが
自動小銃で発砲し、護衛ら4人が負傷したとされる。同大統領は事件を「野党勢力の犯行」と
断じ、2年前に解任したオラゾフ元副首相ら4人を名指し非難。反政府派政治家やその親族
100人以上を逮捕した模様だ。
ところが、国外に逃れているオラゾフ氏は露紙に対し、「大統領車は、私が中央銀行総裁時代
に、20万ドルの予算を支出して頑丈な装甲車にしたもので、てき弾でも貫通しないのは国民
誰でも知っている」と述べ、自動小銃による襲撃は不自然であり、大統領の自作自演だ主張した。
一方、露コメルサント紙は、トルクメン当局が「犯人が同士打ちで死亡した」と発表した点も、
「あらかじめ遺体を運び込み、テロ実行犯の殺し合いに見せかけた」と疑問符を付け、人権団体
の「トルクメンの人権と自由を守るヘルシンキ・グループ」は記者会見で「大統領が治安機関に
演じさせた芝居」と断じた。
ニヤゾフ大統領は、全土に自分の肖像を掲げ、中央アジアでも屈指の強権政治家。今回の事件
でトルクメン最高検察庁は、容疑者の中にロシア出身のチェチェン人3人が含まれていると公表し、
「国際テロ事件」としているが、露側は捜査協力に消極的で明らかに当惑気味。
米国務省当局者も4日、「トルクメン政府に公明な捜査を求める」と憂慮を表明した。
引用元
http://www.yomiuri.co.jp/00/20021205i214.htm 依頼
771さん