【内政干渉】金美齢さん講演会、中国人ら十数人からの抗議で中止に  の2

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 だからといって、自分たちの考えに合わない意見は封殺していい、というものではあるまい。

 台湾の進路に関する意見は様々だ。台湾においてさえ、統一や独立をめぐり、議論は絶えない。
中国と台湾を取り巻く環境も変化しつつある。

 こうした状況の下で、金さんを講師に招くことが、なぜ中国人への侮辱になるのだろうか。
色々な声がある現実を知ることこそ、国際交流という行事の趣旨に沿うもの、と言うべきだろう。

 主催者は「政治的トラブルが起きるのを避けようと、自主的に判断した」と、中止の理由を
語っている。抗議が圧力になったと言っていい。

 言論には言論をもって対する、というのが民主主義の本来の姿である。中国人らの行動は、
そうした基本原則を踏みにじるものである。

 言論の自由が民主主義の原点であることを考えれば、混乱回避を最優先した主催者の側にも、
もう少し対応の余地はなかったのだろうか。

 こうした言論封じ込めは、これまでにもあった。評論家の上坂冬子さんは、一九九二年に、
憲法改正について語っているとして、いわゆる護憲勢力の反対で新潟市での講演をキャンセルされた。

 九七年には、ジャーナリストの櫻井よしこさんが、「従軍慰安婦」問題をめぐり、「人権」を
掲げる団体に講演を妨害された事件もあった。

 金さんは、今回の事件について「自立していない日本の象徴ではないか」と、厳しく指摘している。

 小さな綻(ほころ)びも、放置してはなるまい。そのまま見過ごしていけば、全体主義につながることに
なりかねない。

(12月1日23:03)