2ちゃんねるが危ない!
http://www.hotwired.co.jp/bitliteracy/ikeda/021119/ 日本の個人情報保護法は欧州よりも慎重に作られており、自己情報コントロール権は明記されていない。
個人情報を「本人が容易に知り得る状態に置いている」ときは同意を得たものとみなす(第28条の2)ので、
本人が何もいわなければ違法にはならない。しかし「私は同意していない」と行政処分を求めたら、
政令で定める基準(5000人以上とされる)以上の個人情報をもつサイトは、すべて違法となる。
特に危険なのは「2ちゃんねる」などの電子掲示板である。これまではメッセージの削除を要求するには
名誉毀損を立証しなければならなかったが、個人情報保護法ができると、スキャンダルを暴かれた政治家は
「私の同意なしに名前を載せるな」というだけでよい。検索エンジンも、たとえば私がGoogleに「名前を載
せるな」と要求してインデックスから削除させたら、私の名前を載せている2000近いサイトはすべて
検索不可能になる。
要するに自己情報コントロール権とは、自分についての他人の言論を私的に「検閲」する権利であり、
憲法に定める表現の自由を侵す疑いが強い。住基ネットに反対する市民団体は、住所氏名までプライ
バシーだと主張するが、住所は政府が決めた公的な区画であり、個人の私物ではない。個人情報保護法が
成立したら、住宅地図も本人の同意がないと世帯主を記載できなくなるが、そうなったら地図業者だけ
でなく宅配業者も蕎麦屋も困るだろう。住所も氏名も公的なインフラなのである。