【チベタン】チベットに強硬姿勢か−中国・胡副主席 人権団体が懸念【フリーダム】
【北京12日先川信一郎】中国の胡錦涛国家副主席(共産党序列5位)は、
第十六回党大会閉幕後の十五日に開かれる中央委員会第一回総会(一中総会)で
序列1位の総書記に選出される見通しだが、胡氏は、かつてチベット自治区党委書記時代に
ラサ暴動を武力で鎮圧した実績がある。人権団体からは「チベットに強硬姿勢で臨むのは
間違いない」との懸念が強まっている。
人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」(本部・ロンドン)は最近、チベット情勢に関する報告書を
公表し「胡氏は穏健派とみられているが、天安門事件(一九八九年)では『暴徒の平定戦略』を
支持し、チベット独立運動を武力鎮圧した」と指摘。さらに「胡氏が総書記に就任すれば、
チベット同様、他の少数民族にも断固として厳しい政策をとるだろう」と結論付けた。
胡氏は八八年、情勢が不穏だったチベット自治区党委書記に就任。「片手で分裂闘争を抑え、
片手で経済建設を推進する」(中国筋)姿勢でのぞみ、八九年に戒厳令を敷いて騒乱を鎮圧。
この実績が故эャ平氏に評価され、九二年の第十四回党大会で政治局常務委員に大抜てきされた。
同団体は「今後、中国の新指導部が、チベット亡命政権と対話を始めることを期待したい」としながらも、
胡氏の対チベット強硬姿勢は変わることはないだろうと悲観的な見方をしている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20021113&j=0026&k=200211130451