【国際社会】アイルランド共和軍、国際委員会と関係断絶、高まる緊張

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英国・北アイルランドのカトリック系過激派、アイルランド共和軍(IRA)は30日、
同軍の武器廃棄を監視してきた中立の国際委員会と接触を断った、との声明を公表した。
組織の解散を求め圧力を強める英政府やプロテスタント勢力に対して反撃に出た形だ。
自治停止が続く北アイルランドの政治危機はさらに、深まる様相を見せている。
 声明は「和平が危機に陥った責任をIRAに押しつけ、受け入れ難い最後通牒(つうちょう)を
突きつけた」と英政府を非難。昨年10月以降、国際委員会の立ち会いで進めてきた軍縮を当面、
凍結する方針を通告した。

 解散を拒絶する一方で「永続的な和平を引き続き求める」と明言。包括和平合意を尊重し、
停戦を守る意思も示している。

 IRAが関与したとされるスパイ事件の摘発を契機にプロテスタント、カトリック勢力の対立が悪化。
英政府は10月14日、両者が相乗りする自治議会、政府の機能を停止し、直接統治に乗り出した。

 IRAは00年2月にも、国際委員会と関係を一時断絶した経緯がある。IRAによる武器放棄の遅れに、プ
ロテスタントが反発し、英政府が自治停止に踏み切った直後だった。

 IRAはこの時、プロテスタント側の軟化を待ち、軍縮をめぐる委員会との交渉を再開した。
今回も同じ戦術で、失地回復を図る狙いがあるとみられる。
http://www.asahi.com/international/update/1031/002.html