肺がんがほかの臓器に転移するのを防ぐ遺伝子を京都大などのグループが発見した。この遺伝子が
ないと細胞同士をくっつける「接着剤」が少なくなり、がん細胞がばらばらになって転移しやすくなると
いう。
がんの進行状況の診断などに役立ちそうだ。14日から京都市で始まる日本生化学会大会で発表する。
このグループは京都大化学研究所の上田国寛教授や信州大学医学部の安達喜文・助教授ら。「LUN」
というたんぱく質を作る遺伝子を見つけた。
LUNには細胞同士をくっつける接着分子「Eカドヘリン」が作られる量を増やす働きがある。Eカドヘリンが
ほとんどない肺がん細胞にLUNを加える実験をしたところ、Eカドヘリンの量は約100倍増えた。Eカドヘ
リンが作られるのを抑える物質はこれまで見つかっているが、増やす物質はほとんど見つかっていないと
いう。
肺がんの中でも特に転移しやすいタイプの「肺小細胞がん」では、8割以上の患者のがん細胞でLUN遺伝子が
含まれる領域が欠損している。この遺伝子がないために、ばらばらに離れたがん細胞がリンパ節やほかの
臓器に転移しやすくなると考えられる。
(以下略)
引用元
http://www.asahi.com/national/update/1012/018.html