横浜地方気象台は八日、横須賀市で七日朝起きた強風被害について、竜巻と推定する調査結果
を報告した。被害状況などから、局地的に秒速四九メートル近い強風が起きた可能性もあり、
横須賀の四十分前に大島で起きた竜巻とも関連があるとの見方を示した。
現地調査に当たった菊地邦教技術課長によると、七日朝は寒冷前線に伴って大気が不安定に
なり、発達した積乱雲群が相模湾から東へ移動、午前三時五十分ごろ横須賀市付近に上陸した。
この積乱雲群は四十分前には大島に上陸して竜巻を発生していた。
さらに風の動きを監視する羽田空港のドップラーレーダーの記録では、同三時半ごろ相模湾で
反時計回りに回転する風を確認、これが三浦半島に上陸して竜巻になったとみられる。
現場の状況からも、被害地域が同市公郷町を中心に五十〜百メートルの細い幅で長さ二キロ
と線状に続いていることや、瓦が吸い上げられた形跡などから、同気象台では竜巻と推定。
また被害者の話などから、竜巻は二キロメートルを数分以内で通り抜けた可能性があるという。
被害状況を基にした竜巻などの基準「藤田スケール」では、六段階で下から二番目のF1と推定。
このレベルは約十秒間平均で秒速三三〜四九メートルとされており、菊地課長によると「被害状況
から見て、局地的に秒速四九メートル近い強風が吹いたと見られる」という。
県内でこの規模の竜巻が発生したのは一九七八年の川崎市川崎区以来。
一方で夜間に発生し、映像や目撃情報がないことなどから竜巻との断定はできず、同気象台
では今後も調査を続ける。
http://www.kanagawa-np.co.jp/news/nw02100953.html