【社会】「小児科医いない」4件の病院で診療受けられず乳児死亡−岩手★2

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530病院事務職員
事件があった岩手の隣の県で、某総合病院の事務をしてる者です。
地方の総合病院なんて、たとえ「救急病院」の指定を受けていたとしても、
「時間外診療」にあたる時間帯なら、本人が当直でもないかぎり、ふつう小児科医は病院にいません。
(大学医学部の附属病院や赤十字系は例外です)
それは小児科医にかぎらず、すべての診療科にいえることです。
原則、当直医がすべての患者さんに対処します。

「時間外診療」は、しょせん応急処置という位置づけです。
たとえば、ある患者さんが高熱だったら、
「今日は坐薬をあげますから、明日専門医に診てもらってください」
それが基本です。
どうしても緊急を要する場合にのみ、
専門の医師がはじめて呼び出されます。
骨折した日の当直医が、たまたま整形外科医ならラッキーでしょう。
でも眼科医が当直だったとしても、落胆することはありません。
きっと整形外科医が呼ばれます。
適切な検査のうえ処置がなされ、入院となるでしょう。

531病院事務職員:02/09/23 21:52 ID:6zfUi0yc
この事件の場合、一関病院の非番の小児科医が、
ポケベルの呼び出しに応答がなかったことは論外です。
まったくひどい話だと思います。
しかし、一関病院に駆け込むまでの「たらい回し」には、
ふに落ちない点があります。
水沢市の総合病院が「近くの病院に行った方がいい」
と答えたのは当然と思います。
(一関から水沢へ向かう途中について責任を負いかねる)
しかし他の病院の、「眼科医しかいない」「整形外科医しかいない」という返事は
本当に病院からの電話での返事を正確に表現しているのでしょうか。
532病院事務職員:02/09/23 21:52 ID:6zfUi0yc
「時間外診療」の時間帯、患者さんから連絡があったさい、
最初にそれに対応する病院側の職員は、
ほとんどの医療機関では、おそらく当直事務職員だったり、守衛だったりするでしょう。
病院にくる電話は、患者さんの受診希望の電話ばかりではありませんから、
医師や看護師が直接電話に出ることは、まずないはずです。
受診希望の電話だとわかった段階で、看護師に取り次ぐことになります。

私が勤務する病院では、当直事務職員がまず電話をとります。
経験上言えることは、「診てもらいたい」むねを一切言わず、
「今日の当直は何科の先生ですか?」といきなり尋ねてくる電話が非常に多いことです。
「今日は消化器科の医師です」あるいは「耳鼻科の医師です」
と正直に答えると(もちろん嘘をつく理由はありませんから)、
おおかた「そうですか。わかりました」と電話は切れてしまいます。
先方が名乗ったわけでもないので、もうどうすることもできません。
決して診察を断ったわけではないのです。
事務職員にはこれがせいいいっぱいのところです。
533病院事務職員:02/09/23 21:52 ID:6zfUi0yc
それでも「診てもらいたい」意思を明確にしてくれたのなら、
電話は当直看護師に取り次がれるでしょう。
たしかにひどい看護師は世の中にある程度いることでしょうが、
大多数の看護師は、きちんと電話で患者さんの症状を尋ね、状況をつかみ、
来院するよう促します。
医療機関はあいつぐ診療報酬改定で、どこも経営状況がきびしい状況です。
正直、ひとりでも多く患者さんをつかみたいのです(言葉は悪いですが)。
看護師が電話に出た段階で、「今日は整形外科医しかいないから診れません」という回答は、
ふつうありえないのではないかと推測します。
それが、その病院で標榜していない診療科で診療すべき症状だというのなら話は別ですが、
それでも医療機関相互の連携が、地方ではある程度進んでいますから、
診察したうえで当該診療科のある医療機関に紹介するぐらいは当然なはずです。
(病院の専門医が呼び出されても手に負えず、救急車で大学病院へ転送、という例だってたくさんあります)
「たらい回し」ということは、まずありえないのではないでしょうか。
534病院事務職員:02/09/23 21:53 ID:6zfUi0yc
長くなって申し訳ありません。
私が言いたいことは、この事件は単に病院側のミスというよりは、
亡くなった男の子の両親が、今回かかわった各病院に対し、
伝えなければいけなかったことを、本当に伝えていたのかどうか、
医療の現場に即してみれば、きわめて疑問だということです。
決して病院を弁護するつもりはありません。
ただ、患者さん側にも、言葉足らずの点がなかったか、ということです。
どこの病院だって、「具合が悪いんです」と言わない人を無理やり診察することはできません。

もちろん、どんな問い合わせに対してもきちんと対応できる体制を持たない、
むしろ、はっきり言えば「ひとりよがり」な患者さん側の態度を、
うまく解きほぐすほどの余裕もシステムも持たない、
非サービス業的な医療機関の現状は問題なのですが。