【経済】日経優良企業ランキング 任天堂が3年ぶりに首位
ハイラルのひろいひろい平原で昼寝をしていたら、うっかり夕方になってしまった。
人恋しさに足早に帰路を走ると、遠い家々の煙突からけむりが出ているのが見える。
お母さんがオーブンでパンを焼いて、子供の帰りを待っているのかな?
見ているこっちが、うれしくなってきた。
今日はボクも、お菓子でも焼いてみようかな。
ハイラル城下町の賑わいが好きだった。
訳もわからずおばちゃん達の群れに突進して行って叱られたのも今ではいい思い出だ。
横道の不思議な空間も好きだった。
酔っぱらってくだまいているオヤジに親近感を覚えた。
夜の城下町は犬がうるさかった。
いつまでも明けない夜が不安を増殖させた。
一度しかあえなかったハイラルの兵隊は不吉な言葉を残してコト切れた。
森の神殿が好きだった。
効果音のようなBGMがなんともいえず心地良かった。
中庭に初めて入った時にはなんて素敵なところだろうと思ったが、
デグババがいたのですぐに前言を撤回した。
根性の悪いオールドミスのような四姉妹幽霊との対決は小気味よかった。
レイトショーの終わった映画館みたいなボス部屋が好きだった。
ゾーラ川の滝が好きだった。
びしゃびしゃ弾ける水しぶきが、冷房のない部屋の蒸し暑さを忘れさせた。
岩の下や断崖の途中に黄金蜘蛛を見つけた時には小躍りして喜んだ。
ぷかぷか下流に流されるのが好きだったら、途中で邪魔するクソダコを
心底憎んだ。
氷の洞窟が好きだった。
キンキンした冷たい空気を思わせるBGMは、
未治療の虫歯にきりきり響いた。
歩くとすべる氷面が面白くて、
意味もなくあちこち歩いてはツララの直撃をくらってダメージを受けた。
炎の神殿が好きだった。
入っただけで顔の皮がつっぱるような乾いた熱気が快感だった。
ドドンゴの洞窟が嫌いだった。
むっとする熱気とじとじとした湿気が、
いつまでも身体にまとわりついてきた。
デクの盾を燃やすファイヤーキースにはまじに殺意を抱いた。
可愛い顔して自爆するベビードドンゴがたまらなくいやだった。
目玉スイッチ押すところではいつもデクの種がなくなっていた。
どんなところにもいるアキンドナッツの商売人根性も耐えられなかった。
水の神殿は苦手だった。
水中を歩く時には息を止めたのでいつも酸欠状態だった。
ゲームをするたびにホタテとウニが食べたくなって困った。
うずに巻き込まれるたびに溺れ死にの恐怖を味わった。
井戸の底は怖かった。
闇の神殿も怖かった。
真面目に明るく生きていれば知らなくもいい世界を
無理矢理みせられたみたいで嫌だった。
それでも地底の川を行く船が動き出した時には、
禍々しい美しさに感動した。
ガノン城は笑えた。
賢者がせっかく架けた橋なのに足でつついて強度を確認するリンクに
容易く人を信用してはならないとの教訓をもらった。
赤絨毯の階段なんか登ったことがないので
素直に丁寧なおもてなしありがとうと感動した。
パイプオルガンを弾いて待っていたガノンドロフに
おまえはダンガードAのヘチ総裁かとつっこみを入れたかったが
あまりに古いネタなのでわかってもらえないだろうと思ってやめた。
最後の脱出で素直にゼルダについていったら
何度も岩に直撃された。姫さんそりゃないぜ。
思いではセピア色にするとすべて美しい。
わけのわからない理屈でひとり涙したラストシーンだった。
タルミナの町の人々が好きだった。
人間三日先のことなんか気にしていたら
不安で不安で生きていけないよ
妙な悟りを開かせてくれた。
スノーヘッドが好きだった。
鈍い陽の光と雪の地面に落ちる灰色の影
さくさく響く足音が耳に心地よかった。
白く凍る吐息にリアルの極地を見た気がした。
…リアル、リアル、リアル…
みんなリアルっぽかったから味わえた感動。
どうせ埋め立てレスだから今こそ声を大にしていおう。
GCでリアルゼルダがやりたい。
ヲタクだの同人だの信者だの懐古趣味だのあれのどこがリアルだっただの
趣味がわるいだのだからGCだめぽだのリアルが好きなら FFやれだの
宮本さんが決めたことだから仕方ないだのいまさらリアルは流行らない
だの童貞だのカントンだのデブだの眼鏡だの妊娠キモだのなんだのかんだの
いわれても、声を大にしていいたい。
GCでリアルゼルダがやりたい。
やっぱり、言葉はあふれて本流を持たない。
そして何かを好きだと表わすことはとても難しく、とてもとても恥ずかしい。
しかし、それらの体裁を顧みず滲み出る
強い思いを信じずして何を信じるというのだろう。
――風のように永田氏のゼルダの伝説レビューより抜粋