【科学】香り≠ェ質量感覚に影響、資生堂が世界で初めて発見
資生堂は、香りが重量感覚に影響するということを世界で初めて発見した。物体の色が重さ
を錯覚させるという事象は知られていたが、香りも同様にレモンなどシトラス系、フローラル
系の香りでは軽く、モス(こけの一種)などのモス系、ウッディー系、ローズ系の香りでは重く
感じるという。同社では、あわせて香りが化粧クリームの伸びにも影響することも見つけた。
軽く感じる香りでは伸びも軽く、重く感じる香りでは伸びも重くなった。年内に、この香りに
ついての成果を応用した化粧品を発売する。
今回、資生堂では、同じ重さのビンに香りを付けたものと付けていないものとを比べてどの
ように感じるかの実験を、20〜24歳の女性18人を対象に行った。
その結果、香りによって重さの感覚が違うことが分かった。最も軽く感じさせるレモンでは
「軽い」「やや軽い」を合わせて15人、「重い」「やや重い」の2人を大きく上回った。逆に
最も重く感じるモスでは「重い」「やや重い」が13人、「軽い」「やや軽い」が2人となった。
重さについて数値化はしていないが、資生堂では10%以上の重さの違いは出ると予想している。
重量感覚は香りに対するイメージとも相関性が高く、香りの透明度や香りの明るさとの相関
係数は0.74もあった。香りを薄めると効果も低減している。
さらにクリームの伸びについても比較したところ、レモンでは伸びが軽く、モスでは伸びが
重くなり、香りの調整によって使用感がコントロールできることが分かった。この成果は、
25日から広島市の広島大学で開催される日本心理学会、10月1日から鹿児島市で開催される
「日本味と匂学会」で発表する。
ソース
http://www.jij.co.jp/news/020918/sozo/301.html