【社会】無登録農薬で農家が損賠請求へ
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0909/nto0909_6.html 「厚生省(現厚労省)の認可商品」との説明を受けて共同購入・使用した農薬が、実際は無登録
だったためリンゴ全量廃棄などの損害を受けたとして、津軽地方のリンゴ農家十数戸が九日まで
に、販売元の山形県山辺町、農業資材販売店「角屋商店」経営武田秀一被告(55)=農薬取締法
違反などで起訴済み=に対し損害賠償を求めることを決めた。詐欺容疑での告訴も検討している。
賠償請求するのは、武田被告から無登録農薬を購入した農家グループ十八戸のうち、散布し
た弘前、岩木、板柳などの十数戸。散布園地のリンゴ全量廃棄のほか、隣接園地のリンゴ廃棄
や残留農薬検査費負担などの補償問題が発生し、多大な精神的苦痛も受けたとしている。同日
までに「被害者の会」を設立、残留農薬検査などが進み被害額が判明してくる今月下旬以降に
賠償請求する。
この農家グループは、五年ほど前に開いた学習会で武田被告から「厚生省認可商品で、全国
で広く使用されている」などと説明を受けて農薬を共同購入した。無登録の「ダイホルタン」を
「ホールエース」、「プリクトラン」を「プリラー」という商品名で売っており、誰も気付かなかったと
いう。七月三十日の武田被告逮捕後も、八月下旬に県の調査が入る直前まで使っていた農家も
いた。
賠償請求する農家の一人は「周囲の農家や関係者に迷惑を掛けてしまい、責められ、私たち
自身もリンゴを出荷できず苦しんでいる。収入ゼロになれば、どうやって生きていったらいいのか。
言葉巧みに農薬を買わせた武田被告を決して許せない」と話している。