【社会】散布の作物45トンを出荷−無登録農薬問題
http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20020909/0000014077.html 全国的に問題視されている無登録農薬「ダイホルタン」「プリクトラン」「ナフサク」を園地に
散布した県内の生産者が今シーズン、分かっているだけで約45トンの果物と野菜を市場に
出荷していたことが8日、明らかになった。サクランボ、桃、リンゴ、スイカの4品目で、重量の
あるスイカが全体の9割近くを占めている。
市場に出荷されていたのは、サクランボが3戸の約2.4トン、桃が2戸の約1.5トン、リンゴが
1戸の約1.7トン。野菜ではスイカを栽培している生産者1戸が約40トンを出荷したとみられ、
合計で約45.6トンと推定される。
園地面積はサクランボが47アール、桃が50アール、リンゴが8アールで、スイカが最も広い
100アール(1ヘクタール)だった。合わせて205アール(2.05ヘクタール)に達する。
このうち、桃1戸とリンゴ1戸については、園地に出荷前の果実がまだ残っていたため、県が
出荷停止を要請した。
リンゴの1戸は当初、県に「無登録農薬は使用していない」と回答したが、誓約書提出に応
じなかったために県の再調査を受け、ダイホルタン使用が分かった天童市の1戸とみられる。
この農家は今季、リンゴ「つがる」の園地にダイホルタン6―8袋を散布し、8月に約1.8トン
を山形市内の販売店に出荷。業者逮捕を受けた県の調査が始まるのを知り、約0.6トンを自主
回収した。
このほか、8月上旬には山形市中央卸売市場に約0.5トンの「つがる」を出荷していた。
桃については、東根市の農家がダイホルタンを使用した「ネクタリン」50キロを同市場に納入、
その後に県が出荷停止を要請したことが明らかになっている。
サクランボの3戸のうち、東根市の1戸は5月上旬、ナフサクをほかの農薬に混ぜて散布した
ことが判明。ナフサクは植物の成長調整剤で、1976(昭和51)年に失効したが、発がん性は
ない。