◆日本ハム:消費者の反応冷ややか
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20020903k0000m020131001c.html 「みなさまに多大なご迷惑をおかけし、グループを代表しておわび申しあげます」。農水省の
日本ハムグループへの牛肉販売自粛指導が19日ぶりに解除された2日、日ハムの藤井良清
社長は深々と頭を下げた。通常なら晴れがましい新社長の就任会見は謝罪一色。農水省の
「自粛解除」措置にも消費者は「早すぎる」と厳しい視線を向ける。各地で声を聞いた。
盛岡市のファッションクリエーター、三上れい子さん(68)は「利潤追求のため会社ぐるみで
消費者にうそをついた会社の製品は、もう買う気にならない。農水省の指導は甘い」と批判。
静岡市の主婦、芝田知恵子さん(50)も「日本ハムの商品はなるべく買いたくない。こうした
思いが日本ハムの上層部まで届かないのが悔しい。偽装問題は他社からもまだまだ出て
くるのでは」と指摘した。
偽装の舞台となり閉鎖が決まった日本フード愛媛営業部がある愛媛県。松山市の主婦、渡辺
優子さん(37)は「もう許されるのか。もっと厳しい姿勢で臨んでほしい。小さい企業ならつぶれて
当然の問題。小売業界もすぐに販売を再開しないでほしい」と話す。
日本消費者連盟関西グループ世話人の山崎昌子さんは「雪印食品、日本ハムグループとも
問題が発覚したのは内部告発がきっかけで、自ら明らかにしたわけではない。食品業界の体質は
そう簡単には変わらないのではないか」と不信感をあらわにする。そのうえで、国に対し「消費者
は自衛する必要があるが、情報収集には限界がある。やはり国の責任が重い。最低限、外国に
例のある内部告発者を保護する法制度が必要だ」と注文した。
[毎日新聞9月3日] ( 2002-09-03-01:37 )