薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、一審で実刑とされた製薬会社「旧ミドリ
十字」(現三菱ウェルファーマ、本社・大阪市)元社長の松下廉蔵(81)、須山忠和(74)
両被告に対する控訴審の判決公判が21日、大阪高裁で開かれた。豊田健裁判長は
「被害者の苦悶(くもん)と無念の思いは筆舌に尽くしがたく、被告らの刑事責任は重い」と
して実刑を維持しつつ、遺族への謝罪などの情状もくんで、松下元社長に禁固1年6カ月
(一審・禁固2年)、須山元社長に禁固1年2カ月(同1年6カ月)を言い渡した。
豊田裁判長は「非加熱製剤の販売を継続すればエイズを罹患(りかん)させ、死の結果
を招く危険性を予見できた。販売中止、回収を図る義務があったのに怠り、責任のある
地位にあった者として相当の非難を免れない」と指摘した。そのうえで、被告らが一審判決
の後に遺族宅を訪れて謝罪し、弔慰金を支払った▽株主代表訴訟で和解が成立し、被告
らがそれぞれ3千万円の和解金を支払った−−として減刑した。
歴代2社長側は二審で、一審と同様に起訴事実を基本的に認めた。だが、エイズ
ウイルス(HIV)に汚染された非加熱の血液製剤が被害を招くという予想の程度を争い、
「専門的知識がなく、高度の注意義務はなかった」と主張。すぐに販売中止や回収の
措置をとらなかったのは「厚生省の指示がなく、新発売の加熱製剤も欠品の恐れが
あった」として、量刑判断に考慮を求めた。さらに、高齢で持病を抱えていることなども
挙げて、執行猶予を求めていた。
(以上、2002年8月21日のアサヒ・コムより一部引用―全文は引用元を参照)
引用元:
http://www.asahi.com/national/update/0821/008.html リクエスト:
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1029804368/255