★女性向けビニ本:発売以来1カ月半で30万部
・最近、書店で女性向けの「ビニ本」に気付いたことはないだろうか。女性がセックスで満足する
方法をまとめたという、その「サティスファクション――究極の愛の芸術」は、6月29日の発売
以来1カ月半で30万部が売れた。本家、アメリカをしのぐ勢いで売れ、男性にも受けて
いるのは、なぜ――。
同書は、100点以上のイラストも用いながら、女性が満足するためのテクニックを一見品よく
しかし詳細に説明している。ビニールに包まれて売られ、買わないと中身を確かめられない
のもミソ。著者はアメリカの女優、キム・キャトラルさんと夫のマーク・レビンソンさん。
人気テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の主役の一人だ。
発行する「アーティストハウス」によると、購入者の7割は女性で20代後半から30代が多く、
男性の主力は50代という。東京では、紀伊国屋書店新宿本店や八重洲ブックセンターなど
でもベストセラー入りした。
20、30代の女性が購入する理由について、同社PR担当の中山香代子さん(30)は
「セックスの楽しさが分かってくる年代。それだけに不満を感じている人が多いのかも」と分析。
また恋愛論ライターの丸山あかねさん(39)も「セックスでコミュニケーションを深めたいと
思っているけれど、現実には女性が相談する場もない。恥ずかしくて回し読みができないことも
売れた一因ではないか」と話す。
エッセイスト、山口文憲さん(55)は「性の情報は最初は医学、その次に思想を装っていた
時代を経て、今や単なる生活情報になった」と位置付ける。「20、30代の女の人は、この本を
ダイエット本と同じ感覚で手にするのではないか。一方、50代の男は単なるエロ本として
読むのでは。カップル社会のアメリカならいざ知らず、日本のこの世代に、パートナーとの
よりよいセックスを追求する切実さがあるとは思えない。女はスキルに走り、男は幻想に
立てこもる。これが日本の性の現状だろう」と見る。(一部略)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020814k0000e040065000c.html