哨戒ヘリで不審船追跡、威嚇射撃、ミサイル防御など装備強化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020804-00000301-yom-soci 防衛庁は3日、昨年12月の奄美大島沖の不審船事件を受けて、今年度以降に配
備する海上自衛隊の哨戒ヘリを、ミサイルをかわす防御装置や機関銃で装備強化し、
不審船の追跡や停船、船への立ち入りなどに運用することを決めた。
同庁は、1999年の能登半島沖の不審船事件で、高速で逃走する船を取り逃がし
た反省から、機動性の高い哨戒ヘリの使用を検討してきた。奄美大島沖で沈没した
不審船の周辺からは、航空機を探知して追尾する携帯式地対空誘導ミサイルや、携
帯式ロケット砲が回収され、航空機に対して、高い攻撃能力を持っていることがわ
かった。
潜水艦の探知が主目的だった哨戒ヘリは、攻撃を受ける事態はあまり想定されてお
らず、搭載している攻撃兵器は魚雷だけ。不審船対策には、装備が不十分との声が
高まり、今後配備する哨戒ヘリ「SH―60J」に〈1〉7・6ミリ機関銃〈2〉
金属粉末を噴射、燃焼したり、金属片を散布したりしてミサイルの誘導装置をかく
乱する自機防御装置〈3〉夜間でも船の熱源を探知できるテレビカメラ――を備え
付けることにした。
新装備のヘリは今年度内に9機配備される見込み。巡視船や護衛艦が不審船に追い
つけない時でも、護衛艦などからヘリを出動させ、威嚇射撃を行うことが可能にな
る。また、護衛艦などとの共同作戦で不審船が停船した場合は、上空から隊員を乗
り移らせ、立ち入りを行うことや、その援護など、小回りの利くヘリの特性を生か
して、艦艇や航空機では不可能だった処置も想定している。(読売新聞)
[8月4日9時28分更新]