交通事故などの大けがで死亡した人の4割は、適切な対応が
できていれば救命できていたはずの「防ぎ得る死」だったことが、
厚生労働省研究班(主任研究者=島崎修次・杏林大学教授)の
全国調査で分かった。
重症外傷患者数や死亡率など国内の実態が明らかになったのは初めて。
16日から東京で開かれる日本外傷学会で報告する。
米国では約30年前に外傷患者の5割が「防ぎ得る死」と分かり、
社会問題になった。外傷治療センターの整備や
救急搬送の見直しなどが進み、80年代には2割になった。
島崎教授は「外傷は見捨てられた疾病だということが明らかになった。
個別の施設の問題ではなく、外傷医療や救急システム全体の問題だ。
日本でも外傷センターをつくるなど早急に対策を取る必要がある」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/0516/001.html