宇都宮の火事で寝たきり男性を救出、少年7人に感謝状−−消防本部 /栃木
◇「無事でよかった」と笑顔
先月5日未明、宇都宮市中心部で住宅など計10棟が全半焼した火事で、宇都宮市消防本部は10日、寝たきりの男性を布団ごと運んで助け出した高校生ら少年7人に感謝状を贈った。
7人は「賞状のためにやったんじゃないですよ」と照れながらも、誇らしげな表情で感謝状を受けた。
表彰されたのは、宇都宮市氷室町、真岡北陵高2年、若林紀貴君(16)▽同市清原5、作新学院3年、関本大城君(17)
▽同市清原3、ガソリンスタンド店員、仙石茂樹君(17)▽同市清原6、無職、栗田亮君(16)▽同市清原5、無職、高橋幸次君(16)▽同市清原3、アルバイト、渡辺祐司君(17)▽同市氷室町、アルバイト、松本和也君(17)。
7人について、宇都宮市消防本部の藤原由房・消防長は「自分の命を顧みることなく、地球より重い人命を救助した功績は大きい。これを契機に、さらに人の命の大切さ、尊さを認識し、素晴らしい人生を歩んでほしい」と感謝状を渡しながら活躍をたたえた。
会場には7人に救助された上野晴夫さん(67)=宇都宮市大通り3=の実兄の幹夫さん(70)も姿を見せ、「弟を救っていただいて本当にありがとうございました。弟に代わってお礼を伝えたくて来ました」と頭を下げた。
7人は「大したことないですよ」と謙虚に話しながら、「それにしても(晴夫さんが)無事でよかったです」と笑顔で応じていた。
感謝状を受けた後、栗田君が「賞状をもらうなんて、小学校の習字以来」と喜ぶと、関本君も「おれも空手の試合でしか受けていない」と笑いながら話していた。
関本君は、今回表彰されることを8日に学校の先生から知らされたが、職員室に呼び出された時は何か怒られるのではないかとあせったという。「まさか表彰されるなんて思わなかった。
日は先生から『出席扱いにするから行ってこい』と言われてますよ」とうれしそうだった。
この火事は先月5日午前1時半ごろ、宇都宮市大通り3の倉庫から出火。隣接する民家など10棟計約1150平方メートルを焼いた。全焼した上野さん方では晴夫さんが逃げ遅れていたが、たまたま通りかかった7人が布団ごと外に運び出して救出した。【川上晃弘】(毎日新聞)
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