完全学校週5日制の導入に伴い、土曜日に「補習」を行って生徒に
学習の場を提供しようという取り組みが20日、首都圏の小中学校で
始まった。参加希望者は予想を大幅に上回る人気で、学校側は
「こんなに多いとは」と、とまどい気味。「ゆとり教育」を進める文部科学省では
「基本は各教育委員会の判断」としながらも「土曜に授業の延長のようなことを
行うのは望ましいとは言えない」との見解だ。
東京・台東区では、7つの区立中学のうち計4中学で、第1、3土曜に開講する
「土曜スクール」がスタート。いずれも参加希望者が全生徒の5割を超えた。
区立浅草中学(中村日出夫校長)では、全校生徒340人に対し7割超の
254人が申し込んだ。事前の予想は100人程度で、原浩三教頭は
「どうしてこんなに多いのでしょうか」と困惑気味。土曜は教師が公休で、
同校では指導員として大学生や大学院生計6人を雇ったが、急きょ、
6人を追加募集して対応。「これ以上は受け入れられない」状況という。
この日は国語、数学、英語の主要3教科で12コースの補習が行われ、
生徒たちはふだんの授業よりリラックスした雰囲気で、市販の問題集を
解きながら、時折、指導員に質問。指導員の冗談には笑いも起きた。
3年生の伏見梢さん(14)は「土曜スクールがなかったら、昼まで寝て
だらだらしていたと思う。学校でやった方が集中できる」と話していた。
千葉県野田市では、小学生に算数を教える「サタデースクール」が
市内15校で開講、参加を希望した2―6年生の児童が登校した。
教壇には有償ボランティアの主婦も。「割り算が苦手だから」と姿を見せた
同市立中央小5年の池田美保さん(10)は「お母さんに『行きなさい』って
言われた。本当はバドミントンをして遊びたい」と本音も。
また、埼玉県深谷市では、毎週土曜に実施する小中学生学習支援事業
「がんばル〜ム」が12の市立小学校で始まった。“先生役”は教員OBら
による有償ボランティア73人。茨城県古河市でも、市立小中学校の
全10校で、学校の教室を自習用に開放する「土曜教室」を実施した。
(4月20日14
http://www.yomiuri.co.jp/04/20020420ic06.htm