詳報です。
★ネット掲示板の投稿にも著作権・東京地裁
・インターネットの電子掲示板での発言を無断で文庫本にまとめたのは著作権の侵害だとして、
書き込みをした11人がホームページ(HP)の運営者と光文社などに出版、販売の差し止めや
約250万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、「掲示板への仮名投稿も
著作物に当たる」と差し止め請求を認めた上で、販売済み分の著作権使用料など約120万円の
支払いを命じた。
だれでも気軽に書き込める掲示板での発言に著作権を認める初の判断で、はんらんするネット
情報の2次使用の在り方に影響を与えそうだ。
判決理由で飯村敏明裁判長は「投稿文章の多くは思想や感情を創作的に表現しており、
匿名のネット上での投稿文章でも著作物性を否定するものではない」と認定。
その上で「光文社はHPの運営者を通じるなどして出版の許諾の確認をできたのに全くせず、
著作権を侵害した」と述べた。
判決によると、11人は投稿用の仮名で2000年6月から昨年4月にかけて、国内外のホテルを
紹介するHP「ホテル・ジャンキーズ」に約50回にわたり、海外のホテルのサービスや周辺事情
などについて書き込みをした。
HPの運営者でホテルジャーナリストの村瀬千文さんは、この書き込みを基に昨年6月、
光文社から文庫本「世界極上ホテル術」を出版。これまでに1万部以上を売り上げた。
この訴訟で同地裁は昨年9月、出版の差し止めを命じる仮処分決定を出している。
一方、ネット上の著作権をめぐっては、今回のケースとは逆に書籍の要約文を無断でネット上に
掲載した業者に、同地裁が昨年12月、賠償を命じている。〔共同〕
http://it.nikkei.co.jp/it/top/index.cfm?i=2002041505117j0