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雷息子:
ヨルダン川西岸ジェニン難民キャンプ、イスラエル軍の侵攻で、
非戦闘員のパレスチナ人の屍の町と化す
(4月16日The Times: Inside the Camp of the Dead)
4月16日The Timesは、ジオバニ(Janin di Giovanni)記者が、ヨル
ダン川西岸ジェニン難民キャンプを取材して報じている。
私は10年以上にわたりボスニア、チェチェン、シエラレオネ、コソ
ボなどから戦争をリポートしてきたが、これほど人間の生命を尊重
しない意図的な破壊を見たことはない。イスラエル兵士は、ここは
戦闘員だけの町だと私に述べたが、実は女性や子供や老人もいる町
である。アムネスティ・インターナショナル(人権擁護機関)は、イス
ラエルが立ち入りを妨げ続けるなか重要証拠が隠滅される可能性が
あるとし、「何百人ものパレスチナ人殺害」を即座に調査すること
を訴えている。
イスラエルがテロリストの生産基地であるとしているジェニン難民
キャンプの至るところでは、数日間の日ざしのなかで腐敗してきて
いる死体の悪臭がただよっている。このイスラエルによる“防衛の
ための盾作戦(Operation Defensive Shield)”の最も激しい戦いを生
き抜いたパレスチナ人の誰もが、ひどい物語をもっている。彼らは
瓦礫の山となった自らの家へと案内するが、死体は至るところにあ
り、子供の泣き声が聞こえ、瓦礫の下の生存者を探している人々が
いる。かつては200軒の家があったが瓦礫となった地域に案内して
くれた労働者アニス氏は、イスラエル軍が死体を集団墓地に積み重
ねて土をかぶせて平らにするのを見たと言っている。
イスラエル軍は依然として、オブザーバーを立ち入らせまいとして
いる。私はこの記事をイスラエル戦車から50メートル離れた破壊さ
れた家の中で書いている。ウォルフ(Yoni Wolff)イスラエル中尉は、
意図的な破壊はしておらず、兵士らはテロリストのみ殺害したと述
べた。しかし、死んだと思われる何百人は全てが戦闘員ではなく、
家が崩れ落ちた瓦礫の下には女性や子供たちの死体がある。かつて1
万3,000人が住んでいたジェニン難民キャンプに残っているのは、
屍の荒廃地である。
〔ソ−ス:4月16日The Times(P:1面)〕