10日午後3時ごろ、横川町中ノの県道で、国分市の無職男性(54)の軽乗用車が
JR肥薩線鉄橋の石製橋脚に衝突、同乗の弟と母親が死亡した。車内から「弟を殺した」
などと書いた遺書らしきものが見つかり、男性も犯行をほのめかしたことから、横川署は
殺人容疑で捜査を始め、男性から事情を聴いている。2人の遺体を司法解剖する。
死亡したのは、男性の弟の無職宮内勉さん(47)=横川町中ノ=と、母ミキさん(85)
=福岡県筑紫野市上古賀。男性も両足骨折、ひ臓損傷などの重傷を負った。意識は
はっきりしているという。事故当時、勉さんは後部座席、ミキさんは助手席に乗っていた。
2人は搬送先の病院で約1時間後に医師によって死亡が確認されたが、同署は事故前に
勉さんが死亡していた可能性もあるとみて調べている。
勉さんを搬送した大口市外四町消防組合南消防署によると、勉さんは搬送時には既に
心肺停止の状態だったらしい。大きな外傷はなかったという。
遺書らしきものは、横川署が事故後、車内を調べた際に運転席付近で見つけた。封筒に
「弟を殺した」などと書いてあり、中に友人らにあてた3通が入っていたという。
現場は見通しのいい直線。同署の調べでは軽乗用車は栗野町方向から加治木町方向へ
走っていた。ブレーキ痕はなく、道路左側の橋脚に正面から衝突したらしい。
http://www.minaminippon.co.jp//2000picup/2002/04/picup_20020411_1.htm ▲写真 橋脚に衝突して前部が大破した軽乗用車