2001年の陸上世界選手権男子ハンマー投げ銀メダリスト、室伏広治(ミズノ)が、自由なCM出演など
の出来る“プロ活動”をしたいと申請していた問題で、日本オリンピック委員会(JOC)が「待った」をかけ
ていることが、2日までにわかった。JOCは、現行のマーケティング計画(2004年まで)から、選手の肖
像権一括管理緩和の方針を打ち出し、シドニー五輪女子マラソン金の高橋尚子(積水化学)らのプロ化
を承認したが「現行のマーケティング計画では、室伏の申請は想定しておらず、承認するとスポンサー
に対して契約違反になる」としており、室伏のプロ活動問題は難航しそうだ。
2001年世界選手権競泳銅の山野井智広(ヴァージン)も申請を済ませているが、JOCは回答を保
留している。ほかにもスピードスケートの五輪2大会連続メダリスト清水宏保(NEC)、シドニー五輪競
泳銀の中村真衣(JSS長岡)に「プロ活動」申請の動きがあるが、承認は微妙。
JOCでは先月末、プロ申請希望選手を抱える陸上、水泳、柔道、スキー、スケートの各競技団体か
ら意見聴取。今月下旬までにオフィシャル・スポンサーなど11社に説明する予定だが、「(室伏らのプ
ロ活動を)各社が認めてくれる可能性は著しく低い」(JOCマーケティング部)と見られている。全社が
了承しない限り、室伏らのプロ化はアテネ夏季五輪終了後の2005年以降にずれ込む可能性が高い。
JOCは、選手の肖像権を譲り受けてスポンサーから協賛金を獲得、選手強化資金として競技団体
に還元する選手強化策を実施している。自由な商業活動を行うには、JOCに肖像権管理からの除外
を申請し、認められる必要がある。
JOCは、現行マーケティング計画を実施する際に、各競技団体から指定除外選手の希望状況を
調査。マラソンの高橋、ロサンゼルス五輪新体操入賞の山崎浩子・日本体操協会理事などは申請が認められた。
(4月3日03:05)
http://www.yomiuri.co.jp/06/20020403ie01.htm