<経済>「大きな混乱は無い」=エイベックス、全新譜CDにコピー防止機能

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日経トレンディ5月号 P92より

 音楽CDの販売不振は、その大半が本当に違法コピーのせいなのだろうか?。
 これに対してCD販売店などからは、異論の声が上がっている。

「違法コピーよりも、レコード会社の販売構造そのものが問題だ。
宇多田ヒカル、浜崎あゆみといったミリオンセラーを出すメガアーティストばかりに
広告宣伝費を大量投入し、中堅アーティストや洋楽をなおざりにしている」
とHMVジャパンの藤田浩マーケティング部長。
 さらに藤田氏は「ベストアルバムの乱発もシングルが売れなくなった要因」と言う。
ベストの乱発によりユーザーは、「どうせベスト盤がすぐ出るから」と
シングルを買い控えてしまうという論法だ。

「CMや番組主題歌など安直なタイアップやベスト盤頼みのセールスのしわ寄せが
いまの販売減につながっている。地道にCDを売る姿勢をメジャーレコード会社は
忘れている。」
 こう語るのは、音楽CDの販売やレンタルのチェーン店、ツタヤを展開する
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の阿部悟音楽グループリーダー。

 吉本興業などが昨年5月に共同出資で設立したレコード会社R&Cジャパンの
橋爪健康社長も、「気に入った楽曲が出来なくても発売サイクルに合わせて
無理やり新曲を出させる現在の体質では、アーティスト寿命も短命になり、新人も
育たない。これではCDが売れるわけがない」と言い切る。

 一方で、販売不振というが、レコード業界でも売り上げを伸ばしているところもある。
「当社は98年以降も売上高は対前年比2桁弱で伸びている。これはミリオンセラーに
頼った販売をせず、インディーズや新人アーティストにスポットをあてる独自の
提案を続けた結果だ」
(タワーレコード・野村佳史第一店舗運営本部長)