ラブラドルレトリバーが電車で“1人旅”=名鉄各務原線
厨房のころ
嫌なことがあると犬と散歩に行った。
親も教師も大嫌いだった。夢もなくて鬱で死にたかった。
生まれてきた意味なんかないと思った。
万引きして補導されて最悪なムードの我が家で、犬だけが俺に
しっぽをふっていた。
犬ってバカだな。俺が散歩に行かなきゃおまえなんか庭につながれ
っぱなしじゃん、うちの親は犬が嫌いだから。
俺がいらないと言えば、おまえの命なんか保健所で簡単に潰せるんだぜ。
なあ
なのにどうしてそんな俺にしっぽをふるんだ?
俺は親にも犯罪者になるとか、ろくでなしとか言われるぞ。
そんなやつを信じるのかよ。なぁ・・・・・俺は少しはいいやつか?
俺に夢があるなら、早く家を出ておまえを飼える家に住みたい。
広い庭のある家に・・。
俺は高校大学と人づきあいが忙しくなり、その後、実家を離れて
就職したが犬と住める環境はほど遠かった。
そしてあいつを俺を待ったまま、去年息を引き取った。父と母が
寝たきりになったあいつを看病し、最後を看取ってくれた。
俺は両親に感謝する。そして犬の死に目に会えなかったことを生涯、
後悔している。
ありがとうと言うには、言葉がたりない・・・・・・。