【社会】神戸の大学院生殺害、刑事課への連絡は4時間後[3/9]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1夜汽車φ ★
暴力団組員による神戸商船大大学院生、浦中邦彰さん(27)拉致(らち)・殺害
事件で、最初に現場へ急行した神戸西署地域課が、約10人の暴力団組員がか
かわった事件と判明してから、凶悪事件担当の刑事課へ連絡したのは約4時間
後で、大幅に遅れていたことが9日、県警の調べでわかった。この間、地域課員
12人だけで対応していた。同署から県警暴力団対策2課への報告が丸1日以上
遅れたのはこうしたことも背景にあったとみられ、県警監察官室は「事犯を甘く見
た対応」として詳しい経緯を調べる。

調べでは、4日午前3時19分、神戸西署に女性から「県営住宅でけんか」との電
話が入り、同署は、初動捜査担当の地域課員や井吹台交番に急行するよう指示。
約15分後、同課署員が現場に到着し、まず組員4人に追いかけられていた知人
男性を保護。間もなく約10人の組員らが暴れ、浦中さんが拉致された可能性の
あることがわかった。

ところが、現場で指揮した同署地域第1課長は、暴力団捜査担当の同署刑事課
に応援を求めず、無線を傍受して現場に来た県警自動車警ら隊や機動捜査隊
のパトカー計4台も約1時間後に引き揚げさせていた。

この間、午前4時過ぎ、暴行に加わった暴力団山口組系末原組員、冨屋利幸容
疑者(37)(傷害容疑で逮捕)を本部に照会して暴力団組員と確認。同6時前、知
人男性が「浦中さんを連れ込んだ車は銀色のセダンのようだった」と証言して拉致
が確実になったが、地域課員に組事務所近くを見に行かせただけだった。

同署刑事課に連絡したのは午前8時ごろ、さらに署長への報告が8時半ごろと遅
れた結果、県警暴力団対策2課への連絡は翌5日午前9時半になってしまった。

一方、浦中さんは、最初の女性の電話から1分後の午前3時20分に「やくざのお
っちゃんが暴れている。いたら急に殴りかかられた」と携帯電話で110番。殴られ
た相手については「知らない人で1人。女の人もいる。変な物は持っていない」「か
らまれている。何かわからないけど、何か脅されている」と約3分間におよんだが、
初動捜査に生かされなかった。
(3月9日15:36)

http://www.yomiuri.co.jp/04/20020309i304.htm