東京女子医大病院(東京都新宿区)の循環器小児外科での心臓手術中に
人工心肺装置のトラブルが起き群馬県高崎市の小学6年、平柳明香さん=当時(12)=が死亡した事故で、
手術の担当医師向けに操作方法やトラブルへの対応を記したマニュアルがなかったことが17日、
関係者の話で分かった。
操作などの指導は口頭と実演だけで行われていたため、
担当医師らが指導の際には経験しなかったトラブルに遭遇し、
とっさに適切な対応ができなかった可能性があり、
女子医大病院による医師らの養成、指導の方法に批判が出そうだ。
女子医大病院の調査報告書によると、
大人の心臓手術での人工心肺装置の操作は通常、専任の臨床工学技師が担当しているが、
子どもの手術に際しては、循環器小児外科の医師に任されていた。
明香さんの手術では、
医師らが手術部位の出血を吸引するポンプの回転数を上げ心肺装置内の圧力が異常に高まったことなどから、
血液が循環しなくなった。
担当医師は原因が即座に分からず、駆け付けた技師が空気を抜き、圧力を下げた。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20020217CIII032717.html