http://www.asahi.com/national/update/0215/006.html 生ゴミ、家畜の尿使うメタンガス発電、普及へ規制緩和
生ゴミや家畜のふん尿からメタンガスを発生させて発電するメタン発酵技術について、農水省は
3月に事業者らの推進協議会を設立し、本格普及に乗り出す。二酸化炭素(CO2)排出量が少ない
メタン発酵技術は温暖化防止対策の切り札として欧州で広がり始めたが、日本は各省ばらばらの
制度や規制が普及の障害になっている。協議会で課題を整理し、政府全体の取り組みとして
規制緩和を進める。
生ゴミやふん尿を発酵させるとメタンガスが発生し、これをガスタービンや燃料電池で発電する
ほか、燃やして暖房などの熱源とすることもできる。日本全体では、生ゴミが年約2000万トン、
ふん尿は約9000万トン出るが、メタン発酵施設は全国で数カ所しかなく、ほとんどが焼却処分か
肥料用に回っている。
ドイツは地球温暖化対策として、すでに約700施設を整備し、欧州連合(EU)もエネルギー
利用に占めるメタン発酵を含めた新エネルギー源の比率を10年に現在の2倍の12%に
引き上げる方針だ。
しかし、日本では(1)風力・太陽光発電にある優遇措置がなく売電が困難(2)品質基準などの
ガス事業法の規制(3)生ゴミの収集・運搬の許可を必要とする廃棄物処理法の規制などから、
事業者が参入を敬遠している。このため、本格普及には各省が連携して規制を緩和する必要がある。
農水省は畜産関連だけでなく、所管の食品リサイクル法に基づき生ゴミの再資源化を進めてきた
経緯があり、省内で普及策を検討してきた。具体的には、まず養豚場や酪農場でふん尿を利用した
施設整備を進め、第2段階として都市の生ゴミを活用する施設の普及に乗り出す方針で、補助対象の
拡充や公共事業としての整備を検討する。全国で100〜200の施設を当面の目標とする。
今月21日に学識経験者や事業者、ゼネコンなどが参加して、協議会の準備会合を開く。農水省
だけでなく、経済産業、環境、国土交通各省も協議会に参加する見込み。(07:07)