東芝は,垂直磁気記録方式を用いたハード・ディスク装置(HDD)を開発し,市販のノート・
パソコンに組み込んで動作させるデモを実演した (図1)。垂直磁気記録方式のHDDを
試作・動作するデモは,他社を含めて今回が初めて。これまでは学会などで実験結果を
発表することが中心だった。同社が東京・青梅地区で開催した技術展で報道陣に公開
したもの。
公開した垂直磁気記録方式のHDDは2品種。1つは,面記録密度が35Gビット/(インチ)
2の品種である。この面記録密度は,現在製品化している長手磁気記録方式のHDDと
同等である。2.5インチ型ディスクを1枚,ヘッドを2個内蔵して,記録容量は20Gバイト。
市販のパソコンに組み込み,OSとしてWindows98をインストールし,映像データを再生
するデモを見せた(図2)。
もう1つの品種が,面記録密度を52Gビット/(インチ)2に高めた品種である(図3)。
記録容量は30Gバイト。やはりノート・パソコンに接続して,書き込みや読み込みの動作
を実演した。いずれの品種も回転数は4200rpmである。
記録ヘッドには高い飽和磁束密度(BS)を有する単磁極ヘッドを用い,再生ヘッドには
既存の製品と同等の構造からなるGMRヘッドを利用した。記録媒体は垂直磁気記録用
2層媒体である
製品化の際の仕様や時期は未定としながら,現在は製品化に向けて信頼性の試験など
に取り組んでいるという。HDDの面記録密度が100Gビット/(インチ)2程度に向上したとき
に,製品化へこぎ着けたいとする。面記録密度の向上が現在のペースを保てば,その
時期は2003年中にも訪れる。
ソース:
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/167271 意外と近い将来、ノートPCにもテラバイトのディスクが搭載されるかもしれません。むむむ。