物資・材料研究機構は、いわて産業振興センターと共同で、昨年から魚介類に対して
規制値が設けられた環境ホルモン「ノニルフェノール」(NP)を超電導磁石を使って除去
することに成功した。すでにプラスチック原料として使われ、規制が検討されている
ビスフェノールA(BPA)の浄化にも有効性が確認されている。同機構では、今後も環境
ホルモン規制が強化されるとみて、適用できる種類をさらに拡大していく考えだ。
NPの浄化手法は超電導磁石を使う。NP水溶液による実験では、除去前の8.4ppm
(1ppmは100万分の1)の濃度が1万分の1に減少した。
環境ホルモン自体は非磁性だが、大部分は水になじまない性質「疎水性」がある。
このため、磁性のある酸化鉄微粒子に炭化水素の「直鎖アルキル基」をつけ有機化合物
とし疎水性にして、疎水性同士の物質が集まりやすい性質を利用して環境ホルモンに
吸着させた。
直鎖アルキル基は、アルコールなどの溶液で容易に分離し、簡単に再利用できる。
また、超電導磁石は、酸化物系で絶対温度40K(マイナス237度C)以下の比較的高温で
作動するため、液体ヘリウムによる冷却は不要で、冷凍機の電源があればどこでも
使える。
装置の大きさは、畳3畳ほどで1時間あたり0.6トンの水を処理できる。「環境ホルモンの
規制は強化される一方で、装置が小さく工場の排水路に設置して低コストな浄化が
できる」(小原健司主任研究員)という。
ソース:
http://www.jij.co.jp/news/020128/sozo/302.html なるほどその手があったか、と思わせる技術です。今後の実用化に期待したい。むむむ。