ロシアで唯一「反クレムリン」の民放として残っていた「TV6」に対し、
ロシア最高仲裁裁判所(経済問題専門の裁判所)は11日、
「TV6は債務超過である」ことを理由に解散を命じた。
TV6側は、「プーチン政権の言論弾圧」と反発している。
TV6は、プーチン大統領と敵対している政商ベレゾフスキー氏(現在はロンドン在住)の傘下にあり、
全国ネットの放送局では唯一、政府批判の立場を貫いて視聴者の人気を集めた。
だが昨年秋、株主の一部から「財務定款に欠陥があり、実際には債務超過。
営業継続は違法」と訴えを起こされ、下級審では解散を命じられた。
TV6側は、「国際標準では資産が債務を上回っており全くの言いがかり」とし、最高裁まで争った。
プーチン政権は昨年、グシンスキー氏傘下で政府批判を続けていた民放NTVから、
同氏を追放して政府傘下に収めるなど、政府に批判的なマスコミを相次いで支配下に置いてきた。
このためTV6訴訟は、米欧も注目する問題になり、
先月訪露したパウエル米国務長官も、「解散は望ましくない」と露政府に申し入れていた。
http://www.yomiuri.co.jp/05/20020111id27.htm