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400デフォルトの名無しさん
ここでいいのかな?
今日の夕刊トップに載っていました。東京新聞のWebページにはあり
ませんでした。3分割。

東京新聞 1月11日夕刊

障害児として生まれない権利

 フランス国民議会(下院)は十日、「障害児として生まれない権
利」の確立を避けるための政府対応案を可決した。障害児出生の可
能性を見落とした医師に損害賠償を命じた破棄院(最高裁)判決を
めぐって仏社会に困惑が広まり、法の見直しに動き出したものだ。
401デフォルトの名無しさん :02/01/11 19:34 ID:1TuwSRxS
判決めぐり社会論争に「かえって人権否定」

 破棄院は二〇〇〇年十一月、重度障害の青年ニコラ・ペリッシュ
さん(十九)の訴えを認め、出生前の超音波診断を担当した医師に
損害賠償を命じた。医師が障害の可能性を見落としたため、母親が
妊娠中絶する機会を逸し、ペリッシュさんが障害を持って生まれ、
その結果、経済的困窮につながった、との判断だった。

 しかし青年の名前から「ペリッシュ判決」と呼ばれる司法判断は、
障害を持って生まれることの是非をめぐる社会的論争に発展。障害
者団体を中心に「障害者が生まれないことを前提とする判例は、障
害者の人権否定につながる」と強い批判が起きていた。

 一方、障害児の出生回避の責任を負うことになる産婦人科医の間
では「100%確実な診断はありえない」として、胎児の超音波診
断を拒否する動きが出ていた。

 仏政府は、医師が障害児であることを見落としたため、中絶され
ずに生まれたとして、障害者本人が原告となり、医師を訴えること
を制限する一方、成人した障害者への公的補助を手厚くすることで、
障害者の自己否定とも言える「障害者として生まれない権利」の定
着を回避する方針だ。

 ただ、明らかな医療過誤で、障害を持って生まれた場合に、親が
医師を訴える権利を制限するものではない。
402デフォルトの名無しさん :02/01/11 19:35 ID:1TuwSRxS
日本では障害が理由の中絶不可

 厚生労働省母子保険課によると、国内の人工妊娠中絶は二〇〇〇
年に三十四万千件で、「障害」を理由とした中絶は認められていな
い。

 胎児の「出生前診断」には、羊水検査や超音波検査、子宮の絨毛
(じゅうもう)検査などがある。

 特に、胎児にダウン症などの疾患があるか分かる「母体血清マー
カー」は手軽に出来て普及する可能性があることから、旧厚生省が
専門委員会を設置、議論した。

 同委員会は一九九九年六月、「胎児の疾患の発見を目的とした検
査として行なわれる懸念がある」などとして、妊婦らに母体血清マ
ーカーを積極的に勧めるべきではないと見解をまとめている。


自然の存在認める社会を

 知的障害者の親の会「全日本をつなぐ育成会」の松友了常務理事
は「障害があっても生まれる権利があると言うことは当然。フラン
ス政府がそれを認めたとすれば良いことだ」と評価する。

 「どんなに科学技術が進歩しても障害ある人を抹殺することは許
されない。遺伝性や出生時障害のような避けられない障害は、自然
の存在として認める社会であるべきだ」といい「医師の権限と責任
がどこまで問われるのかという複雑な問題も含んでいる。日本でも
当事者を中心に同様の問題が起こってくる可能性もある」とも語っ
た。

 名古屋市立大学医学部の鈴森薫教授(産科婦人科学)は「日本の
法律では、超音波診断で胎児の障害が明確になりやすい、妊娠二十
二週以後の人工妊娠中絶は認められていない。しかし、EU(欧州
連合)諸国のなかには、重度障害の疑いがある胎児に対し、妊娠二
十二週以降の中絶も認められる。どんな障害で中絶できるかの線引
きは極めて難しい。日本で同様の裁判の例はないが今後あったとし
ても、EUと法制度が違い、障害者が勝訴する可能性はほとんどな
い」と話している。