▽狂牛病問題の責任に触れず 退任の熊沢農水事務次官(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/1227/011.html 農水省の熊沢英昭事務次官は27日、退任決定後、初めて記者会見した。狂牛病(牛海綿状
脳症、略称BSE)をめぐり不手際を重ねた同省の行政責任に「けじめ」をつける人事とみら
れるが、具体的な説明は避けた。
熊沢氏は事務方トップとして狂牛病問題に対応してきた。武部勤農水相は25日に退任を発
表した際、「発生当時の危機管理意識の希薄さは驚くべきものがあった」などと述べていた。
このため会見では責任問題に質問が集中したが、熊沢氏は「大臣の発言に加えて申し上げるこ
とはありません」という言葉を6回繰り返しただけだった。
同省は96年に世界保健機関(WHO)が牛に肉骨粉を与えないよう勧告した際、行政指導
による「自粛」にとどめた。熊沢氏は当時、畜産局長だったが、これに関する質問にも「調査
委員会に資料をすべて提出してご議論いただいている」と述べるだけで説明を避けた。
武部農水相が26日に北海道で「感染源が解明されないことは大きな問題か」などと発言し
たことへの質問も出た。これに対しては「全頭検査が確立し、食卓には安全な食肉が届けられ
るということを話されたのではないか」「EU(欧州連合)でも感染ルートの解明に苦労して
いる状況などの点を紹介されたのではないか」などと語った。(22:30)