特定郵便局長でつくる「特定郵便局長業務推進連絡会」(特推連)幹部を務める広島県内の局長(68)が
昨年度、妻が役員に就任している会社から渡切費で
約1650万円分の営業用物品を購入していたことがわかった。
局長の自由裁量で使える渡切費をめぐっては、
東京都内の幹部局長あてに発行された領収書に偽造の疑いがあるなど使途の不透明さが指摘されている。
この妻は特定局が関係する公益法人の監事も兼任しており、
中国郵政局は近く指導する方針だ。
朝日新聞社が情報公開法に基づいて入手した書類によると、
この局長は昨年度、渡切費約4100万円を支給され、約2700万円を物品購入にあてた。
物品はせっけんやタオル、コーヒーセットなどで、
購入名目は「地域との連携強化」「利用者サービスの向上対策」などだった。
最も多い1650万円分の物品を納入していたのは広島市内の有限会社。
11人の社員のうち、4人が郵政局OBだ。96年に中国郵政局OBが設立した。
http://www.asahi.com/national/update/1204/001.html この特定局に対する物品販売は当時、
特定郵便局の業務推進を目的とする公益法人「財団法人中国特定郵便局長協会」が請け負っていた。
しかし会社設立後の99年3月、「民間企業との競合は好ましくない」という郵政局の指導で公益法人が取引を中止。
同社が引き継ぐ形で、特定局との取引を始めたという。特定局の物品購入については随意契約が認められている。
しかし同社は物品をつくる工場などは持たず、郵便局側から注文を受けると、
別の業者に安く発注して利益を上げる形態をとっている。
局長の妻は、同社が物品販売を引き継ぐのと同時期の99年4月、取締役に就任。
役員報酬は受け取っていないというが、特定局長が集まる会合などで同社のPRをしている。
取引先は、中国地方5県に約1700ある特定局全局で、
売り上げは、それまで1000万円程度だったのが、99年度に約6億円、翌00年度は約8億円に激増している。
同社の社長は「局長の妻が役員でいると売り上げ増に結びつくと思い就任をお願いした。
宣伝効果はきわめて大きいが、誤解を受けるかもしれない」と話す。
この局長は「妻が役員だからと物品を買ったのではなく、
いい物を安く買うことができるので、結果としてそうなっただけで、やましいことはない」としている。
さらにこの妻は、この公益法人の監事も兼務している。
この点について、協会を所管する中国郵政局は、
「民間会社役員と公益法人監事との兼任は、法令には触れないが運営に疑念を招くおそれがある」として、
協会に対して改善を指導する方針という。
http://www.asahi.com/national/update/1204/001.html