事件の舞台「南校舎」保存、付属池田小が決定
児童殺傷事件のあった大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の校舎改築検討委員会
(安井義和・付属学校部長ら9人)は26日、事件の舞台となった南校舎(3階建て)を
保存することを決めた。
児童の心の傷に配慮して取り壊したうえ新築するか、事件の風化を防ぐため残すべきか、
意見が分かれた校舎問題は決着に向けて前進する。
委員会によると、犠牲になった1、2年生の教室がある1階は全面改修し、慰霊のための
メモリアルホールや、児童、教師らが事件について話し合う「語らいの場」などとして整備する。
1階分(約1000平方メートル)は別棟を増築して対応する。
2、3階は、これまで通り教室として使うかどうか今後決める。
校舎の改築を巡っては、文部科学省が、いったんは南校舎を取り壊し、新築する方針を決めていた。
だが、遺族の間から存続を求める声が上がったため、外部の専門家や
池田小PTA役員らを含めた委員会で検討してきた。
遺族や負傷児童の父母、同小卒業生からは「事件を風化させないため改修にとどめて校舎を残すべきだ」
「事件を思い出して恐怖を感じたり、学校に行けなくなったりしないよう、
全面改築してほしい」などの要望があり、意見が分かれていた。
同小は2学期から仮設校舎で授業を行っている。
http://www.yomiuri.co.jp/00/20011126i316.htm