来春からの学習指導要領で学習内容が3割減り、「学力低下を招く」と批判がある中、
各地の教育委員会が小中学生の学力テストを新たに始めたり、拡充したりする動きが広がっている。
文部科学省はすでに、全国規模の学力テスト実施を決めているが、
地方でも学力が低下しないかを独自に調べ、対策に役立てたい考えだ。
新たに始める鹿児島県では来年度以降、基礎・基本の定着度を小中学校でサンプル調査する。
98年から続く学力対策の一環だ。
県教委は「低下とまでは言い切れないが、いまでも基礎学力が揺らいでいる」と判断した。
静岡県浜松市では来年2月、受験直前の中3を除く市立の小中学生全員約4万5千人に基礎学力定着度の調査をする。
愛知県新城市は今年度、小5から中3ですでに実施した。いずれも初の試みだ。
岐阜、三重、奈良県教委でも検討を始めた。
拡充する広島県は、98年度から小5と中2を対象に隔年で始めた「基礎・基本定着状況調査」を
来年、4千人抽出から全員に拡大する。
94年から3〜4年ごとに、学習状況を調べている秋田県は、
小5と中2の5%から始めた対象者を今年1月の3回目では4つの学年の各30%まで増やした。
沖縄県は「学力向上対策」として10年以上、全県の小6、中2を対象に毎年続けている。
02年度以降は対象学年を増やす。
一方、文部科学省は来年1、2月、小5〜中3の5学年で全国約43万人を抽出して学力テストを行うことを決めている。
同省の大規模な調査は6年ぶり。国立、私立校も対象にする。03年度には高校で行う予定。
小学校が国、社、算、理の4教科、中学校は英語を加えた5教科。
03年度以降も、ほぼ同じ規模で続ける方針だ。
http://www.asahi.com/national/update/1124/003.html